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子供の頃「ヒチコック劇場」というTV番組がありました。
ヒチコック独特なシニカルな結末。
兄たちは面白いと思ったようだけれど私には面白くありませんでした。
悪人が最後逮捕されてめでたし、めでたしのシーンで終わらないと納得がいかなかったのです。
そのパターンのお話をご紹介。
お金持ちの娘と結婚した男性。
日頃から奥さんにバカにされ蔑(さげす)まされていた。
ある日 仕事から帰宅すると家には警官やら刑事でいっぱいだった。
刑事の話によると「強盗が押し入り、奥さんが殺害されてしまった」という。
「現場はそのままになっています。ご覧になるならどうぞ。」
2階の寝室に入ると奥さんは確かにベッドの上に倒れていた。
それを見た男性はうれしくて、うれしくて有頂天になった。
ところが、死んだはずの奥さんがムクッと起き上がり、
「あなた、私が死んで喜んでいるんでしょう?」と夫を責めた。
ビックリした男性は思わず奥さんの首を絞め、本当に殺してしまった。
でも心の内では「どうせ 泥棒が殺したことになっているんだから大丈夫。」
安心した心持ちで階下に降りてくると刑事さんニコニコしながら
「いかがでしたか?
奥さんも冗談がお好きですよね。
『夫が帰ってきたら私は死んだことにしておいてください』と言われました。
起こしてきましょう。」
と言って2階へ上がって行った。
ここでドラマは終わります。
大人になってヒチコックのこの結末が面白く好きになりました。
今ではヒチコックのファンです。